能登地域の医療と福祉を支える現場から、
笑顔と前進のストーリーをお届けします。

一歩一歩、みんなで歩む復興への道
珠洲市総合病院が目指す、地域に寄り添う「これからの看護」
〜ウォーク&ランイベントに込めた、舟木総看護師長の想い〜

#0101.jpg イベント当日の集合写真 #0106.jpg 参加記念品のスマイルバッチ #0102_20260525171140616.jpg イベント当日の様子 #0104.jpg 花で飾られたエントランス

語り:珠洲市総合病院
舟木 優子 総看護師長

 

心をつなぐ4キロの道のり

 このイベントは2024年の能登半島地震の後から行われています。きっかけはDMATのメンバーの一言です。「みんなで歩いて健康づくりとリフレッシュをしませんか」と提案してくれました。当院では、元々金沢マラソンなどのイベントにリハビリを中心としたスタッフが個人的に参加していた背景もあり、スムーズに受け入れられたと思います。震災後の当院は退職者が相次ぎ、残った職員も仮設住宅で暮らすなど何かと不自由を感じていました。日々やこれからの生活のこともあり、どうしても気は沈みがち、明るい雰囲気とは言い難かったです。
 
 イベントでは病院周辺約4キロのコースを、参加者全員で約1時間かけて歩きます。ラン部門は1周では物足りないので、もう1周頑張っています。今年の4月で3回目となりましたが、毎回みんな一緒になって歩きながら話し、震災から少しずつ復興する街の様子を感じる機会になっています。家族連れで参加するスタッフにとっては、親子で外で体を動かすイベントにもなっているのではないでしょうか。
 
 この日はさまざまなスタッフが会話を楽しみます。職種やキャリアは関係ありません。普段あまり話す機会のない方とも、ゆっくりと話ができる気持ちの良いイベントだと思います。みんなから感想を聞くと「話しながら歩けて楽しかった」「子どもとの思い出づくりができて良かった」と好意的で、参加者には記念のスマイルバッチが贈られます。 
 

毎日一歩ずつでいい

 先にもお伝えしましたが、震災で多くの職員が辞め、当院は元気のない状態が続いていました。そのような中、2025年に総看護師長になりましたが、「頑張ろう」とはなかなか言えませんでした。みんな毎日精一杯なのに、これ以上の頑張りを求めていいのだろうか。限界を感じて辞めるのではないだろうか。と声掛け一つにもためらいを感じていました。ただ、今は少しずつではありますが、「ここで暮らす人のために」「頑張ろう」と言えるようになってきました。「珠洲に残ったみんなで共に頑張ろう」と。
 
 昨年(2025年)の冬は手作りのクリスマス会も開くことができ、ホールに生演奏が響きました。小さなイベントかもしれませんが、スタッフや患者さんと温かい時間を過ごすことができました。当院のエントランスは、職員が丹精した季節の花々が患者さんやご家族を出迎えています。皆さん季節の花々を心待ちにしているようです。毎日一歩一歩でいいんです。ウォーク&ランイベントのように何かできることをして、温かい気持ちを持てるように頑張りたいです。
 

ベテランと若手が支え合う

 能登プロジェクトでは現在、県外からの応援看護師を募集していますが、奥能登の現場にいる身としては期間限定でいいから看護職の皆さんの力を借りたいです。ありがたいことに、震災後に一度、家族で珠洲を離れたものの、やはり珠洲、奥能登が好きで戻ってきてくれた県外出身のナースもいます。これまでも多くのご協力をいただいてきましたが、まだまだ看護職の皆さんの力が必要です。
 
 当院のアピールをさせていただくと、市内唯一の総合病院として救急、急性期、地域包括、訪問看護、在宅、看取りと一貫して切れ目のない支援に携わることができます。ADLが低下する中でいかにご自宅に戻っていただくか、退院支援や地域の在宅看護に興味がある方にはお勧めの環境です。また、奥能登では唯一の脳外科があり、今年(2026年)からは歯科口腔外科も加わり、さらに地域に貢献できる働き方ができるようになりました。そして当院は災害拠点病院として災害看護にも力を入れております。
 
 管理者として感じている課題は、看護職の年齢構成です。30、40代が少なく、ベテランナース、プラチナナース、そして若手の20代が主なメンバーです。中間層の薄さを補うべくベテランと若手がパートナーになり、それぞれの得意分野を活かして働けるような仕組みをつくっています。
 
 今は、地元出身、新卒にこだわらず、とにかく短期でいいから来てもらうことにこだわっています。多様な働き方や、さまざまなキャリアを持つ仲間を受け入れ、大げさに聞こえるかもしれませんが、生き残らなければなりません。「さいはて」の病院ではありますが、豊かな自然に囲まれ、人情に厚い人ばかりです。もしも興味があれば、いつでも声をかけてください。心から歓迎します。

応援看護師を検討中の方へ

住宅費・光熱費は無料!
手厚い生活サポートで安心のスタートを 

 
応援看護師の皆さんには、住宅費や光熱費の自己負担は一切かからない環境をご用意しています。買い物や飲食店など、奥能登での暮らしについても最初にスタッフが丁寧にご説明し、困ったことがあればいつでも相談に乗ります。 これまで応援に来ていただいた方は、半年から1年ほど在籍される方が多いですが、まずは半年、1年でも私たちの力になっていただければ本当に十分です。安心して力を発揮できる体制を整えて、皆さんを心からお待ちしています。
 

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