活動レポート
抗がん剤治療の知識をアップデート 在宅緩和ケア研修が開講
石川県看護協会の令和8年度 在宅緩和ケア研修(全5回)は6月3日(水)、県看護研修センターで始まり、訪問看護に携わる受講生10名が初回の研修に臨み、学びへの意欲を新たにしました。
この日のテーマは「がん薬物療法」で、講師の山森ゆみさん(金沢医療センターがん化学療法看護認定看護師)が、この分野の最新の治療法やセルフケア支援などについて講義しました。CVポートや携帯型持続注入ポンプなど現場で用いる医療器具の解説・演習はもちろん、各種抗がん剤の特徴と副作用や曝露対策の解説がとくに丁寧で受講生からも好評を得られました。
アンケートには「副作用の疑いを意識するなど、この日の講義内容を自身が勤務するステーションのスタッフにも伝えたい」「在宅で内服をさせているご家族に対し、曝露予防の確認と指導を徹底したい」など今後の訪問看護につながる内容となりました。
大切にしていることを、信頼できる人に伝える
石川県訪問看護ステーション連絡会 ACPワーキンググループの「人生会議出前講座」は11月27日(木)、七尾市矢田郷地区コミュニティセンターで行われ、同地区の高齢者を中心とした参加者約80名が、医療やケアの希望を話し合って周囲と共有する「人生会議」について学びました。
今回は、七尾市の市民公開講座の一環として出前講座が実施されました。ACPワーキンググループのメンバーは、人生会議の概要や進め方のポイントなどを講義した後、「人生会議は決して特別なものではありません。いつでも、何度でも行って大丈夫です。日常会話の中で考えや思いを大切な相手に伝えてください」と語りかけました。
グループワークでは、参加者に「大切なことは何か」と「信頼できる人は誰か」を考えてもらいました。大切なことは「健康」「3度の食事」、信頼できる人は「妻」「長年の友人」などと会場から声が上がったほか、講座の内容を受け、自身の身内のケアで重大な決断を迫られた過去を話す方もいました。
まとめとして、ACPワーキンググループのメンバーが「皆さんの周りの大切な人がいざという時に困らないように、日頃からどのように自分らしく生きたいかを考え、伝えてください」と再度呼び掛け、最後に今回の講座に参加した中能登地区の訪問看護ステーションを紹介して締めくくりました。
この日のアンケートには、「老後が心配だったが、受講して気持ちが楽になった。 これから、いろいろ考えて取り組みたい」「夫婦で来ました。家ではついつい口げんかになるけれど、グループワークで素直な気持ちをお互いに言えて良かった」「会場で配布された『まいのーと』を使って、家族で話し合ってみたい」など、前向きなご意見、感想が多く寄せられました。
医療・介護関係者が人生会議への理解を深める
石川県訪問看護ステーション連絡会のACPワーキンググループは10月29日(水)、白山市福祉ふれあいセンターで人生会議出前講座を行い、同地区で医療や介護に携わる参加者50名がグループワークを通して支援や情報共有についての考え方などを語り合いました。
この日の講座は、松任地区在宅医療・介護連携会議の研修会として実施されました。ACPワーキンググループのメンバーが人生会議の進め方などを解説した後、グループワーク用の事例として、難病を抱えて在宅療養中の女性に関する情報を伝えました。各グループには医師や看護師、ケアマネージャーなどが入り、ファシリテーターの進行の下、多職種連携でこの女性を支えるために、どのような支援ができるかを意見交換しました。
参加者からは「本人らしく生き抜くために人生会議は必要と思いました」「最終段階ではなく、日頃からその方の大切にしたいことを聞いておくことの必要性を感じました」「その方の大切にしていることや、信頼できる人など、日常的な会話の中から聞き取りができたらと思いました」などの意見がでました。
最後に、ACPワーキンググループのメンバーが「本日、皆さんの意見をうかがい、共有することに無駄なことは一つもないということがよく分かりました。人生の最終段階において、相手の想いを聞き、より良く生きることを共に考えましょう」と本日の講座をまとめました。
これからも住み慣れた地域で、
「自分らしく生きる」を支援するために。
「在宅看護フォーラム2025」(主催・石川県看護協会、石川県訪問看護ステーション連絡会)は7月12日(土)、「すべての子どもたちが自分の未来を描けるように」をメインテーマにオンラインで行われました。参加者約115名が講演やシンポジウムを通し、医療的ケアに関して、それぞれができることをあらためて考えました。
講演では「災害時の医療的ケア児の対応」をテーマに、国立病院機構医王病院の丸箸圭子副院長と医療的ケア児の家族グループの代表を務める谷畑由佳さんが講師を務めました。能登半島地震の経験を経て、関係者間で情報を共有することや、日頃から万一に備えることの重要性などを訴えました。
続いてシンポジウムは「医療的ケアがあっても住み慣れた地域で過ごしたい」をテーマに、県内で医療的ケアを受ける児童の母親が登壇し、誕生から小学校高学年の現在に至るまでの成長の日々を振り返り、その間に受けたさまざまな支援や、子どもの気持ちを第一に行動したことなどを語りました。
医療的ケア児コーディネーターとして親子のケアに関わる矢鋪幸代さん(相談支援センターたいよう)は、親子を支えるためのチームを一早く立ち上げたことや、チームで会議を開いて専門家が意見やアイデアを出し合ったことなど「ともに考えること」をポイントとして強調。矢鋪さんは「ライフステージを見据え、すべきことを考えなければなりません。本人やご家族に寄り添い、必要な人と人をつなげることに徹しました」などと解説しました。
シンポジウムの最後に児童の母親は「数多くの支援者に支えられ、成長することの素晴らしさを子どもから教わりました。困難があっても必要な支援が受けられるような共生社会を、そして、これからも私の子どもの生きる道をつくっていきたい」と決意を語りました。
中本富美さん(いしかわ医療的ケア児支援センターこのこの)は、「病や障がいは、その子どもの一部だという認識を持つこと」や「子どもと家族にとって退院はスタート、退院後から支援が必要となる」など今回のシンポジウムを理解するためのポイントを伝えました。このほか、西かおりさん(津幡訪問看護ステーション)は「県内の訪問看護ステーションにおける医療的ケア児のアンケート結果」と題し、この分野に関する各種データや課題などを紹介しました。
何度も語り合い、大切なことに気づく
石川県訪問看護ステーション連絡会は6月25日(水)、「人生会議(ACP※1)出前講座」を三谷の里ときわ苑(金沢市)で開催しました。同施設で障害のある利用者の日常生活を支えるスタッフ約20名がグループワークなどを通し、意思疎通の難しい相手が大切にしていることや、思いを感じることなどを話し合いました。
冒頭「人生会議って何だろう」と同連絡会ACPワーキンググループのメンバーによる講義が行われました。ACPは本人による意思決定であることが重要で、決して特別なことではなく、考えや気持ちは変化することを前提に何度も話し合いを繰り返すことをポイントとして伝えられました。
講義後、グループワークに移り、参加者は自分自身が大切にしていることや信頼している人などACPに関連する事柄についてディスカッションをしました。次いで事例検討として、同施設に長く入所しているAさんについて、その人の暮らしへの思いをそれぞれが考えました。
グループワーク終了後の発表では、「それぞれの生き方や大切にしていることを理解するように努め、その人を尊重できれば、何か答えが出てくるのではないか」「毎日の関わりの中で、好きなことや得意なことを類推し、良い支援につなげたい」など、ACPのアプローチを今後活かす意欲的な意見が上がりました。また、講座後のアンケートには「施設利用者との人生会議においては、ずっと同じ回答が続くものと思わずに、その時その時の気持ちを汲み支援をしたい」などの感想もいただきました。
訪問看護師として自信を持って働くために
石川県看護協会の訪問看護研修(基礎)は5月27日(火)、石川県看護研修センター(金沢市)で本年度初回の研修が行われ、研修生13名がこれから訪問看護師として自信を持って働くために必要なことを学びました。
この日の講師は訪問看護認定看護師の吉見真由美さん(金沢健康福祉財団訪問看護ステーション)が担当し、訪問看護師の役割や訪問看護の仕組み、2024年度のトリプル改訂のポイントなど基本的な情報を整理して伝えました。このほか、病名や要介護度などの事例から医療保険と介護保険の優先順位を考えるグループワークなども行われました。
講義に先立ち、研修生一人ひとりが「在宅療養を希望する患者さんの気持ちに応えるため、この研修で基本を学びたい」「制度的な部分に難しさを感じているのでしっかり学び、1人で訪問できるように頑張りたい」など意気込みを語りました。研修生からは、皆の訪問看護を始めた きっかけや思いを知ることができてよかったという意見がありました。
本年度の研修は全10回、訪問看護ステーションでの実習2日間と「ハラスメントへの対応」「がん薬物療法」「家族看護」「臨床推論」などさまざまなテーマで講義と演習が行われる予定です。
被災地、被災者の「生きる」を支えるために経験を共有
在宅看護フォーラム「災害時に訪問看護師はどうしていくべきか ー能登半島地震から学ぶことー」は8月3日(土)、主会場の石川県看護協会からオンラインで訪問看護関係者へ配信されました。被災地での訪問看護に関する発表のほか、震災の現場から見えてきた課題なども報告され、有事の際に機能できるように平時から備えることの大切さを参加者は再認識しました。
フォーラムは2部制で行われ、前半のシンポジウムには石川県内の訪問看護ステーション(訪問看護ステーションリベルタ能登、中能登訪問看護ステーション、らいず訪問看護ステーション、白山松任訪問看護ステーション)の4名が被災地や避難所でのケアの経験を振り返りながら、今後に向けての提言などを行いました。急激な環境の変化の中、仮設住宅への訪問においてはストレスをため込まずに生活を整えるケアが求められたことや、日頃から専門職と地域がつながることで避難所でも情報の共有が円滑に行えたことなど、さまざまな事例を共有しました。
後半は慶応義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学教室 講師で、コミュニティヘルス研究機構 機構長の山岸 暁美先生が「DCーCATの活動を通して」と題して講演しました。山岸先生は冒頭、訪問看護師の工夫や努力を讃えた後、自身が代表を務める看護・ケア職の専門家集団DC-CATの活動について説明。震災発生後から刻々と変化するフェイズに対応しながら、柔軟に支援を継続することで災害関連死の阻止に努めたことなどを講演しました。
意思確認の事例を振り返ってACPへの取り組みを多職種で考える
石川県訪問看護ステーション連絡会は7月23日(火)、KKR北陸病院(金沢市)で「ACP(人生会議)研修会」を実施し、医師や看護師、薬剤師、理学療法士など約60名が参加しました。
研修会では冒頭、連絡会の池川淳子さん(訪問看護ステーション リベルタ金沢)が「人生会議(ACP)について考えよう」と題し、高齢化が進む中で周囲の信頼できる人たちといざという時の対応を話し合って共有することの大切さや、ACPを進める上での3本柱(本人の意思、医学・看護の判断、家族(周囲)の意向)などを解説しました。「ACPはどう死ぬかについて話す場ではなく、その瞬間までどう生きたいか、自分の想いを大切な人に伝える機会です」と伝えました。
事例発表では、90代の認知症患者の家族との意思確認のやりとりを時系列に沿って解説。胃ろうの造設や栄養ルートの確保、退院後の生活の場などさまざまな選択の場面に際し、医療者と家族の間にどのような意見や対話があったかを確認しました。その上で「家族ではなく患者本人の想いや希望を聞き、意思を確認することはできたか?」などの問いについてグループワークが行われ、池川さんのほか、連絡会メンバーの木谷幸子さん(こすもす訪問看護ステーション金沢)、能村桂子さん(野々市訪問看護ステーション)、舛岡香澄さん(志賀訪問看護ステーション)も話し合いの輪に加わりました。
グループワーク後、参加者からは「認知症の方の場合、本人不在で話が進むケースがあります。しかし、家族が本人への確認を取ることで選択肢を増やすことができたのではと思いました」「今後はある年代を超えた人にはACPをして、結果をデータベースとして残してはどうか」などの意見が出ました。最後に池川さんから「ACPに正解はありません。この事例は最良の選択だったと思います。思うように進まない中でも、何を望んでいるのかを私たちは考える必要があります。医療者として今回の事例を次に活かしましょう」と話しました。
介護支援専門員(ケアマネジャー)とACPについて語り合う
石川県訪問看護ステーション連絡会のACP出前講座は「金沢市地域包括支援センターたがみ」から依頼を受け、6月12日(水)介護老人保健施設ピカソで行なわれました。普段は市内でケアマネジャーとして活動する参加者12名が人生会議(ACP)の基本的な考え方に理解を深めるとともに、グループワークを通して日頃から利用者や家族とコミュニケーションを図ることの大切さを再確認しました。
この日は石川県訪問看護ステーション連絡会の木谷幸子さん(こすもす訪問看護ステーション金沢)と池川淳子さん(訪問看護ステーションリベルタ金沢)が講師を務めました。人生会議の基本的な進め方や、心身の状態に応じて何度でも会議を行ない、意思を確認することなど大切なポイントを解説しました。また、能登半島地震の被災体験を通じ、日頃からACPについて話し合っておくことの必要性を感じた親族の事例を紹介しました。
講義後、参加者はグループに分かれて意見交換をしました。発表では「仕事中、利用者さんの選択の場面によく立ち会います。関わるたびに『もっと考えて話すべきだった』と反省することもありますが、これからも利用者さんとご家族の思いを聞いて背中を押すことができればと考えています」や「死について語りたくない利用者さんもいますし、私たちも聞くことに抵抗感はあります。しかし、利用者さんの生活歴や大切にしていることを普段の会話で聞くことがACPの手助けになることがあります」など、それぞれが日々の仕事で感じていることを共有しました。
多職種連携を強化するためACPについて話し合う
石川県訪問看護ステーション連絡会の「ACP出前講座」は9月11日(月)、県立中央病院で開催され、同病院に勤務する看護職ら多職種約100人に同連絡会の池川淳子さん(訪問看護ステーションリベルタ金沢)と上口幹さん(こすもすの家)がメインの講師を務めました。
池川さんは「ACPについて考える」と題し、実際にあった「自宅退院」の事例を紹介しました。退院からお亡くなりになるまでの経緯を伝えた後、参加者はグループに分かれて「利用者(患者)の意思確認は十分に行われていたか」「医学・看護の判断は本人に伝わっていたか」「家族(周囲)の意向を把握できていたか」の「ACPの3本柱」について話し合いをしました。
発表では「患者さんへの確認と対応はできていたと思う」「家族に対するフォローがもう少しあっても良かったのでは」などの意見が出る中、実際にこの事例に携わった療養支援担当者は当時を振り返り、患者とその家族の意向を聞き取ることの難しさを語りました。
池川さんは「多職種の役割を知った上で、平常から専門職同士で、または地域と医療機関と連携すること」「何度でも繰り返し話し合い、状況に応じたACPを考えること」の2点をポイントに講義をまとめました。
続いて上口さんは「ACP 看多機の取り組み」というテーマで講演し、利用者の希望を聞いて県外への旅行をサポートしたエピソードなどを話し、「ACPと一言で言ってもいろいろな形があり、日々の関わりの中で本人と家族の想いを尊重してケアをする中での会話もACPの形の一つである」と伝えました。
講座後、参加者からは「身寄りのない方へのACPの工夫があれば教えてほしい」「合同カンファレンスの際に在宅スタッフに聞きたいことはありますか」などACPに関する質問が寄せられました。
訪問看護師の役割と必要な視点を再確認
石川県看護協会の「令和5年度 訪問看護 基礎研修」は5月17日(水)、石川県看護協会で本年度初回の研修が行なわれました。さまざまなキャリアを経て、県内で訪問看護に従事する21名の参加者が訪問看護師の役割について学び、医療施設における看護との相違点などを再確認しました。
講師を務めた訪問看護ステーションリベルタ金沢の池川淳子管理者は、「訪問看護ではケアマネージャーやヘルパーなど他の職種との連携・協力が必要となります。相手を理解するためには自分の役割を言語化し、自分のできることを相手に伝えましょう」と、まずはコミュニケーションの大切さを説きました。
その後、参加者は自己紹介を兼ねて「訪問看護を始めたものの、訪問先のご家族との関係などに不安を感じて参加しました」「訪問看護歴は2年ですが、あらためて基礎を学び直し、自分の力にできればと受講しました」など、今回の受講動機を話しました。
池川さんは、訪問看護の重要なポイントとして「生活を支えるという視点」を持つことを強調。「病気だけをみるのではなく、『利用者さんのしたいことや大切にしていること』を常に意識してほしい」と訴えました。終了後のアンケートでは「訪問の経験は浅いため、多くの学びを得ることができました」「研修で学んだことを患者さんやご家族との信頼関係構築に活かしたい」などの感想が寄せられました。
「訪問看護 基礎研修」は講義以外に施設での研修やeラーニングを活用しながら、全11回の研修が10月まで続きます。
ケアマネージャーが実例を通して意見交換
石川県訪問看護ステーション連絡会は、金沢市地域包括支援センターもろえ管内のケアマネージャーを対象とした「人生会議」出前講座を地域医療機構金沢病院で開催しました。
この日は、石川県訪問看護ステーション連絡会の池川淳子さん(訪問看護ステーションリベルタ金沢)が「ACP(Advance Care Planning)における多職種連携(コロナ編)」をテーマに講師を務めました。研修会では、WEB参加も含む12名が4組のグループに分かれ、訪問看護の利用者(80代女性)の同居者(ストーマケアを担っていた長男)がコロナ陽性になった実例を課題に専門職としての対応を話し合いました。
参加者からは「専門的なケアは感染防護具を装着した訪問看護師に任せ、通院については近くに住んでいる家族の協力を取り付ける」「状態が落ち着いたら、今後も同じようなことが起きることを想定して話し合う機会をつくる」などの意見が出されました。グループワーク後、講師の池川さんは「専門職の日々の行動が利用者さんとご家族の意思決定支援に関わっています。平常時から、もしもの時の予防的視点で訪問看護などのサービス導入を検討し、専門職や地域との繋がりをつくってほしい」と話しました。石川県訪問看護ステーション連絡会では各地区で出前講座を継続して行っていきます。
最悪の事態に備え、最良の計画を策定する
石川県看護協会はBCP(Business Continuity Plan、業務継続計画)策定をテーマにしたフォーラムを7月9日(土)、県看護研修センターを主会場にオンラインで開催しました。訪問看護・介護、居宅介護支援事業所などに勤務する参加者は、自施設を想定しながら、緊急時への対策について考えるヒントを得ました。
BCPとは、災害などのリスク発生時に業務を中断しないように、また万一、事業が中断した場合でも、できるだけ早期に重要機能を再開させるために、平時から戦略的に業務継続について準備をしておくことです。
この日の講義では、山岸暁美さん(慶応義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室講師、一般社団法人コミュニティヘルス研究機構機構長)が「有事の際にも臨機応変に対応できるBCP策定~いのちと生活を守るために~」と題して講演。平時から施設の関係者全員で検討して対策を練ることや計画策定までには複数のステップがあることなど、BCPをまとめるためのポイントを解説しました。
続いて行われたシンポジウムでは、石川県内4つの訪問看護ステーションの代表がそれぞれ「地震時の対応」「感染症対策」「地域との連携」「地震を想定した演習」をテーマに、緊急時にとった行動や、そこから得た課題や気づき、また日頃からスタッフ全員で共有している備えや心がけなどを紹介しました。
今回のフォーラムの司会・座長は、訪問看護ステーションリハケア芦城の宮本由香里さんが務めました。シンポジストの皆さんは以下の通りです。中村悦子さん(訪問看護ステーションみなぎ)、寺田祐里さん(あっとほーむな訪問看護ステーションやまと)、池川淳子さん(訪問看護ステーションリベルタ金沢)、丸山麻美子さん(訪問看護ステーションえがお)。
在宅高齢者の便秘アセスメントに役立つ技術
石川県立看護大学看護学部 成人看護学 准教授 松本 勝講師は、エコー画像を看護師がアセスメントに使い、看護技術を可視化することについて講演した。在宅高齢者の便秘アセスメントの困難は、認知機能低下により主観的症状が曖昧になること、便を直接観察できない事があげられる。エコーを使う事により、大腸内便貯留に対する客観的評価が可能になり、苦痛を緩和できることが理解できた。
受講生はオンライン22名、対面16名、計38名が参加された。エコーによる膀胱・大腸・褥瘡部の観察や、エコーを利用した抹消静脈カテーテル留置・嚥下評価をおこなう事が有意義であることを学ぶことが出来た。ハイブリッド研修後、対面受講生は、実際にエコーを使って演習を行い、学びを深めた。
考えや思いを話し、伝えることの大切さを説く
石川県訪問看護ステーション連絡会の出前講座は6月29日(水)、野々市市のあやめ会館で行われました。白山松任訪問看護ステーションで管理者を務める伴いずみさんが講師となり、「人生会議ってな~に?」と題して70代から80代までの参加者15名に人生の最終段階でどのように過ごしたいかを問いかけました。
講座の中で「平均寿命と健康寿命」の違いや、入院治療中の段階で次の治療の場を選択しなければならない現状などを解説し、健康ではない状態になること、誰もが最期のときを迎えることを前提に、自分自身の考えや思いを大切な人、信頼できる人に伝え話し合うことの大切さを説きました。
講座後には参加者から「自分の気持ちを考えたことはあるけど、伝えたことはない」「本日の内容を踏まえ、家族と話し合ってみたい」などの声があがりました。伴さんも参加者に「少しずつでもいいので、考えてください」と声を掛けました。石川県訪問看護ステーション連絡会ではこれからも講座の依頼を受ける形で出前講座を開催する予定です。
役割や倫理、コミュニケーションスキルを学ぶ訪問看護基礎研修が始まる
石川県看護協会の「訪問看護研修(基礎研修)」は6月1日(水)、石川県看護研修センターで本年度の日程が始まり、県内で訪問看護に従事する看護職21名が参加し、あらためて自身の仕事への理解を深めました。
初回の講師は、訪問看護ステーションリベルタ金沢の池川淳子代表・管理者が務め、看護職としてこれまでの経験を語りながら、訪問看護を取り巻く現状と将来の課題、現場でのコミュニケーションについての考え方、看護職に求められる倫理などの講義をしました。
研修では冒頭に研修生の自己紹介があり、訪問看護のキャリアの浅い看護師が多い中、受講動機は自主的に参加したという研修生の意欲的背景が伺えました。池川講師は、「在宅におけるケアの重要性と、訪問看護の役割を果たすため、アセスメント力や対応力をしっかり身につけてほしい」と期待を込めました。
「訪問看護研修(基礎研修)」は全9回の日程で10月まで行われ、参加者はeラーニングを活用しながら、在宅における感染管理や排便ケアなど、訪問看護に必要な基本的な知識と技術の習得を目指します。
石川県訪問看護ステーション連絡会とは
2013年石川県訪問看護ステーション連絡会は、県内の訪問看護ステーション間の連携強化のための情報交換や課題解決のための実態調査及び研修を目的に発足しました。現在は、石川県を4ブロックに分け地区別に研修会や会議を行い情報交換を行っています。